トライアスロンはスイム(水泳)、バイク(自転車ロードレース)、ラン(長距離走)の3種目で構成されていますが、このうちの2種目の経験があると、「トライアスロンに挑戦してみようかな。あと1種目やればいいだけなんだから」という考えが頭をよぎります。
私は数年前にトライアスロンに出場しましたが、そのときは自分でも「良くやった!」と思えるぐらいの勝利感がありました。同時に、ゴールラインを踏んだとき、トライアスロンはやり尽くしたとも感じました。
それが私にはちょうどいいトライアスロンとの関わり方だったのでしょう。でも、世の中にはトライアスロンが大好きな人たちがいて、自分もその1人かもしれないと思うなら、今年はトライアスロンに挑戦してみてはいかがでしょうか。
では、その気になったら、何をすべきでしょうか。まずトライアスロンの種類を調べてみましょう。
人気のあるディスタンス(距離)は次の通りです。
- スプリント・ディスタンス:スイム0.75km、バイク2km、ラン3km
- オリンピック・ディスタンス:スイム1.5km、バイク40km、ラン10km
- ハーフアイアンマン・ディスタンス:スイム1.9km、バイク90km、ラン21.1km
- アイアンマン・ディスタンス:スイミング3.8km、自転車180.2km、ランニング42.2km
どんなスポーツをしている人も、これを見ればトライアスロンがどれだけハードかわかるでしょう。
マラソンはとてもハードですし、ハーフマラソンでもかなりハードです。10kmのランニングだとハードですが、5kmだと30分ジョギングする感じなので、これは楽勝ですね。
でもトライアスロンは、スイムとバイクを終わらせてからでないと最後の5kmのランまでいけません。
ランナーなら、ランニングが得意なので5kmぐらいのランは楽勝だと思うでしょう。
ところが、バイクはまあまあ乗れてもスイムはまだできないという状態だと、この2種目をものにするには、予想をはるか超える努力が必要になります。
1. 自分が参加するトライアスロンの決まり事を調べる
まず、自分の地域のトライアスロンを探してどれに参加するのか、どのような仕組みになっているのか必ず確認しましょう。
通常、種目の順番はスイム、次にバイク、最後にランです。私が見たところ、競技の途中で体調が悪くなると死亡する危険性が高い順番になっていると思います。
スイム中に故障が出ると溺れてしまう可能性があります。バイクの最中に衝突事故にあう可能性も。
でも、ランは最悪コンクリートの道路に倒れるだけです。
願わくは、どれも起きてほしくないことですが、これを覚えておくと、種目の順番を覚えるのに役立ちます。
標準的なトライアスロンだと、プールでなくオープンウォーターで泳ぐことになります。
つまり、(走りにくい砂利だらけの)岸部から(水が冷たい)池、湖、川に走っていくのです。完泳したら、自分の自転車を見つけてシューズやその他の装備をなるべくすばやく身につけてバイクをはじめます。
1つの種目から次の種目に移るトランジションの間もストップウォッチは止めてもらえないので、とにかく早く次の種目をスタートできるように練習しましょう。2種目目が終わると、バイクを駐輪してランに飛び出します。
トライアスロンが開催される地域によって次のような違いがある場合があります。
- 水泳は湖でなくプールで行う(私の住んでいるところはそうです)。
- トランジションの時間はタイムに含まない。
- バイクやランをきれいに舗装された道路でなく、ぬかるんだ自然道で行なうことがある。
- 屋内でランニングマシーンとエクササイズバイクを使うトライアスロンもある。
- ラン、スイム、バイク以外の種目を取り入れることがある。
私は、出場者がスイムをカヤックに替えることができるトライアスロンがあると聞いたことがあります。
ひとことにまとめると、事前の下調べを必ずしてください。
弱い種目を鍛える
プロのトライアスリートは、3種目すべてに秀でていなければなりませんが、普通の人は1種目か2種目うまくできて、あとの種目は最後までなんとかやり通せれば上出来です。
プロのスイマーや自転車のメカニック、マラソンランナーになる必要はなく、素人のレベルで十分です。
トレーニング計画や基本的なアドバイスがほしいときは、トライアスリート向けの情報をチェックして虎の巻にしましょう。
ただ、素人のトライアスリート選手からアドバイスを取り入れすぎるのも禁物です。
たとえば、スイムのフリースタイルのストロークに関して、本気でプロのコーチの目から見たアドバイスがほしいなら、スイムの経歴が実際にある人のレッスンを受けましょう。
各種目に関して一般的に知っておいたほうがいい項目は次の通りです。
- スイム:無駄のない動きの正しいフォームを身につけ、力を抜いて水に浮くときのエネルギーを節約する。オープンウォーターでのスイムは、海藻や泥の間を潜り抜けて泳ぐ恐怖心を乗り越え、プールのようにレーンのマーキングがなくてもまっすぐ泳ぐ方法を習得する。
- バイク:自分の自転車に慣れる。体力的には、座ってできるバイクは一番楽な種目だが、ギアチェンジの仕方がわからなかったり、斜面を高速で下ることが怖いと、悲惨な結果になる。
- ラン:ランニングは最も基本的なスキルだが、どれほど疲労しても走り続ける能力が必要だ。有酸素運動とメンタルのトレーニングの両方が大切。
2. 3種目全部のトレーニングをする (トライアスロン)
トライアスロンで一番辛いのはトレーニングです(正直言って、これは、どんな長距離レースにも当てはまります)。
誰でもどれか1種目を週に2、3回トレーニングすることはできますが、1週間にこの3種目全部を2、3回ずつトレーニングして、それを毎週やるとなると大変なことです。
各種目のトレーニングの時間を少しずつ削ってもいいと思います。
普段ランニングのレースに備えて週に4日か5日ランニングのトレーニングをしているなら、トライアスロンのトレーニングのときは、週に2日か3日にしても大丈夫です。
他のワークアウトもしているので体力が保たれているからです。
でも、必ず3種目全部やらなくてはいけません。
私がトライアスロンに出たときは、自分はうまく泳げると思ってプールに2、3度しか行きませんでしたが、これは大変な間違いでした。
当日は何とか最後までやり通しましたが、自分のグループでは一番遅いタイムで、そのあと、遅れを取り戻すことはできませんでした。もう少しプールでトレーニングをしていたら、ずいぶん違ったと思います。
このようなワークアウトを全部したうえに、トランジションの練習もするとなると、重要なワークアウトは、スイムをしたら次にバイク、バイクの次はランというふうに行なうブリックトレーニングです。
これをレースのときと同じように毎回同じ順番でやれば、トランジションもうまくできるようになります。
スイムの後の濡れた足にサイクリングシューズを履くのは大変ですから、事前に必ずやっておきましょう。
3. レース当日は早めに会場に入る
3種目のレースに出るわけですから、事は複雑です。私の場合は、前夜にレースのパケットを取りに行き、ボランティアが私の腕と足に油性マジックで私のレースナンバーを書いてくれました(スイム中はゼッケンを身につけることはできませんから)。
ほとんどのトライアスロンのコースは、出場者全員を一度に受け入れるキャパがないので、出場するグループごとに決まった時間が割り当てられます。
水泳のときは、ボランティアが出場者をトラッキングできるように色分けしたキャップが配られます。
冷たい湖で泳ぐときは、体温を保つために、普通はウエットスーツの着用が許可されます。
ウエットスーツを着ると身体が浮きやすくなるので、泳ぎやすくなりますが、水温が十分低くないと着用を許可されません。
つまり、レースの主催者がレース当日の気温によってウエットスーツ着用の可否を決定することになります。
当日は早めに会場に行き、指定の場所にバイクをセットアップしたり、スムーズなトランジションが行なえるようなセットアップをする必要があります。
インターネットでトライアスロン選手のフォーラムをできる限りたくさんチェックして、裏ワザ(自転車のハンドルにスナックをテープでくっつけておく、とか、ランニングシューズにベビーパウダーを振っておくなど)を見ておきましょう。
レース中は前の人のあとをついて行けばそれでいいのかもしれませんが、トランジションのときはそう簡単にはいきません。
ルールを事前にチェックして、やっていいこととダメなことを理解しておきましょう。たとえば、バイク種目をはじめるときは、ここから自転車に乗ってペダルを踏んでいいというラインがあり、そこまでは、自転車をかかえて走らなければなりません。
最後の種目をスタートすると、やっとロジスティックスのことを考えることから解放されます。
すべてのトランジションが終わり、あとはとにかく前進するのみです。果てしなく続く気がする道のりを走り続けたあと、ゴールラインに到着!
飲み物を飲んで写真を撮りながら一休みすると、そのときやっと、自分はトライアスロンが好きかどうか考えるでしょう。
出典: lifehacker.jp